掃除、してますか?

建物管理者向け、悩ましい管理方法のヒントここにあります。

やる気と根性論

掃除、してますか?

やる気と根性さえあればどんな汚い現場でも綺麗に出来る・・・・

わけありませんよね。

今回は「やる気と根性」を押し付けあっている世代問題について考えてみました。

 

「おまえ、風邪ぐらいで会社休んだだろ?お前のせいで混乱したんだぞ。熱も無いのに具合悪そうな顔すんなよ」

 

昔の人ってすぐそういいますよね?なぜか基準が発熱だったりします(笑)。

 

今の人というと語弊がありますが、古典的な根性論に否定的な方は多いと思います。

調子が悪くてしんどいのに、休めないとかわけわかりません。

 

このことはとてもミクロな世界で起きています。毎日の生活に密着しています。

若い奴は根性が足りない。すぐそれが出てくるし、やる気の起こし方は誰も教えてくれません。

 

「俺のやる気、どこいったんだ・・・・」

 

もう少し視野を広く取ってみましょう。

 

社会不安が積もるこのごろですが、果たして若者が夢を描いて目を輝かせる材料ってあるんでしょうか?年金問題、歯止めのかからない少子化、エネルギーや国際問題に至っても、この国に生まれて将来を約束されていても、いったい何をすれば道が開けるのかわからないというのが現状です。

 

もちろん、お金を集めることに成功している人もたくさんいます。ホリエモンとかIT業界なんかはそうですね。

 

しかし、過去の鉄鋼や自動車産業のように、国をひっくり返して雇用を創出し、国益を担い、豊かな暮らしを手に入れるようなムーブメントは無いでしょう。

フェイスブックが、グーグルが、どれほどの勢いでお金を集めていても、国が豊かになってみんなが潤っているようには見えません。

日本でも成功者はいますし、巨額の富を得ています。しかし、その会社や個人が儲けても、国民レベルを牽引できるほどの産業にはなりません。

 

個人がやる気を出せば成功できるチャンスは確かにたくさんあって、結果より一歩を踏み出す力こそ全てだといえるでしょう。

 

今はみんなが豊かになれる仕組みになっていません。こんなことを書くとイデオロギーの問題を取り上げてクレームがつくかもしれませんが、資本は集中して国益になっていない。

 

また、悪いことに日本のご老人の総資産が国家予算を上回り、いつか来るであろう高金利を期待して手控えているときて、若者がその老人の面倒を見る形になって久しい社会構造には誰もが頭を抱えるところ。

 

やる気と根性はかなり発揮されていると思います。

 

残業で死ぬ奴もいるし、精神疾患で倒れる奴もいる。これのどこがやる気と根性の無い常態か。

 

期待される方向に向いていなかったり、そのような結果を出せないだけだったりする。

 

どんどん精力的に行動すれば、中国のように発展すると思ってる人も多い。

 

精力的に頑張っても、その方向に夢を求める道が無いこともわかっている。

 

映画「タイタニック」で2等客室に眠る子供を寝かしつけるシーンがあるけど、沈み行く船に安心して眠らされる子供になりたくないというのが本心だと思う。

 

日本は中国じゃない。

 

日本が積み上げてきた実力を武器に勝負するシーンが無いとおかしい。

なぜ中国マネーに目をくらませてこぞって技術を漏洩しているのか。若者はその技術を磨いて守って成長させる使命を帯びていたはずだった。

しかし目先の金に目がくらんだ企業はみんな技術を売って短期的な戦略に慢心した。

これでは先人が爪に火をともしてせっかく積み上げた実績や信用を簡単に他人に譲るようなものだ。

 

目の前で繰り広げられる愚行を指をくわえて見ているしかない若者に「やる気と根性」で日本を立て直せとのたまう。これはひどい

 

若者のやる気のなさはわかる。無いのではなく、出せない。

生産性の無いネットの対戦ゲームに興じて仕事にも就かない人もいる。

やる気と根性で何とかなった人たちは、とりあえず会社いってなんかすれば仕事になった。会社や国の利益になった。

俺たちはどうか?せっかく入った会社ではきつい上司の陰湿ないじめにあって、電車に乗れば痴漢呼ばわりされるし、いちいち住みにくくなった社会で「お膳立ては出来ている」といわれても、やる気どころか一からやり直していいですか?って感じる。

 

とまあ、こんな感じだとおもう。

 

僕もやる気出せてるのかって聞かれれば答えはNoな気がします。

 

ここまで文句をいうと、社会否定なだけで終わっちゃうんですけど、僕には持論があります。

 

少子化は最大の問題です。これは国が滅びます。

なぜ少子化がおきるのか。これはここまで書いてきたことが原因だと思います。

要するに社会不安。この社会に生きていても楽しく夢を追えるような気がしないから、子供を育てようなんて思わない。

エネルギーも問題。日本はガソリンで締め上げられて戦争に突入した過去があります。

世界で優位に立つにはこのエネルギー問題から目をそらすわけにはいきません。

健康保険、年金問題も大きい。社会保障の根源は税金にあって、低調になると一人当たりの負担が跳ね上がる仕組みだから。いくら働いても税金のためだけの仕事になってしまう。

 

僕がこの国をどうにかしようと思うとき、この3点を頑張ろうと思う。

 

少子化の原因は夢を持てる社会構造の創出だとおもう。税金の使い道でこの夢は創出できない。政治家やお役所はまったくわかっていない。無駄も多い。

エネルギーも、自然から得るものだけに絞るのならやって見れば良い。出来やしないが、そうするためにどれほどの犠牲が必要で、どんな社会なら出来るのか考えれば良い。出来ることや出来そうなことを一つも試していないのに、金がついて回るソーラーパネルだけが一人歩きしている。なんなら国民全員が自転車で発電すればいいぐらいに考えないと出来ることも出来やしない。

年金問題は老人が保有する財産でまかなえば良い。ただそれだけで若者の負担が減る。

財産を運用できる産業が無い。だから技術を売ってはいけない。ものづくりは日本のお家芸とまで言われてきたのに、もう他の国で生産して国内は廃墟だ。

老人は運用益を期待しているのだから、国産を磨く必要がある。少なくても外資に投資して運用益を得る方法だけはとりたくない。なぜなら投資を受けた側はその資金で日本からもっと技術を盗み出しているから。

 

ちょっと熱くなりすぎました。

 

夢と希望の将来に、やる気と根性で歩き出したいとみんな思っているに違いありません。

G

掃除、してますか?

夏はGの季節ですね。そうですゴキブリです。

夜、足を駆け上ってきたGのことを忘れえません。あの恐怖、トラウマ級です。

 

奴は飛来昆虫です。つまり、ご家庭で繁殖して代々受け継がれているものではありません。黒いGが出たら、抹殺すればいいのですが、こいつもネズミ同様に厄介な昆虫です。

 

不快昆虫の中にGがいますが、その他小バエやハエ、蚊などもいますよね。専門家はもっとたくさんの昆虫を相手にしています。

 

さてGですが、最近はふつうの黒Gのほかに、ワモンGという種類のGがいるようです。

このGは、中国のあるごみ処理施設が生ごみを処理するために飼育しているとかなんとか話題になりました。

特徴は頭の部分に輪のような模様があること。そして、こいつは雌雄同体ということ。

つまり、出逢い系サイトに行かなくても自分だけでOKな連中です。1匹いればどんどん増える悪魔のような奴です。

近頃、このワモンGの発生を業界関係者が話題にしていて、これが見つかることが増えてきているそうです。

 

さて、世にも恐ろしいGですが、レストランにいる小さなG、チャバネゴキブリはおなじみですよね。これは居付きで、その店で繁殖します。そして、ダンボールなどに乗っかって旅をします。

我々業界人が気をつけるべきはこのチャバネGです。空を飛んでくるわけではないのに、どこからとも無くやってくるのです。

 

新しく出来たレストランでも、そのうち必ずといっていいほど発生します。

先ほど書きましたが、このGはダンボールなどの「物」について移動、繁殖します。

住処にあるダンボールには、無数の隙間がありますが、その隙間に住んでいることが少なくありません。また、卵を産みつけていることもあり、これが搬送業者によって運ばれ、店舗に搬入されてしまうのです。

ダンボールのほかに、食品そのものや、厨房機器、事務用品などいろんなものに取り付いて広がります。

このGがラーメンに入っていることは稀ですが、入るとすればこれになるでしょう。

ですからおおきな黒Gが入っているといって苦情を申し立てるのはちょっと変だということでしょう。

 

チャバネGと戦うには2つのことをしなければなりません。

ひとつは予防。ダンボールなどで仕入れた場合、ダンボールを厨房に運ばず、すばやく処分すること。なにしろ厨房環境に外からの到来物を入れるときは虫がついていると思ったほうが良い。

また、入ってしまうことを前提に衛生管理しなければならない。

食品残渣が少々残っているだけでも、どんどん奴らは増えてしまいます。徹底的に清掃して、なんなら水分も乾燥させておきましょう。

また、侵入してしまった連中の隠れ家や住処になるものは処理をしておきます。

防火防炎のために貼り付けてあるステンレスの裏とか、配線ダクトの隙間とか、捜せば小さな隙間はたくさんあります。入り込めない構造になっていれば、営巣を防げます。

つぎに駆除です。

いくら徹底しても毎日到来の機会はあります。

入ってしまった連中は駆除するしかありません。

簡単な殺虫剤でも奴らは死にますが、狙いどころが悪いと食品や食器に影響がありますので、よほど注意が必要となります。

発生している場所にはたいてい糞が着いています。点々とこげ茶色になっているのがそれですが、その周囲には奴らが繁殖を遂げた痕跡があったりします。

狙いを定めてスプレー缶を使用しましょう。

複雑な構造の店舗などは「薫蒸」という手段もあります。バルサンです。

この場合、食器などは完全に撤去して食器棚や食品庫も開放して行います。

気をつけなければならないのが、火災感知器の始末です。

煙で殺虫する場合は特にこのセンサーが作動してしまいますので、養生をするなどします。しかしこの行為は消防法に違反します。短時間であっても、本来はこの機能を停止させるのは問題があります。しかし、夜間や火を出す恐れがない時間帯であれば、消防署の方に相談しても問題とはならないと思います。

大事なのは、それを行った後の復旧です。

養生して、殺虫剤を使った後に養生を撤去しない人が多いのです。

これが消防署の人が注目する点です。素人がやる場合、とくにこの復旧を意識して行いましょう。

 

ご家庭のGですが、飛来してきたあかつきには、繁殖することがあります。

1匹見たら100匹いると思え・・・といわれますが、それは繁殖してしまった場合のことです。

卵が孵ってしまえばそうなりますので、あくまで仮定ですが、100以上いるぞということなんです。

僕の家でも繁殖したことがあります。侵入経路と営巣を捜すのは簡単でした。

まずトイレにいるのを発見。これは驚きましたが、排気口からの侵入でした。

さらに屋根裏に痕跡を発見しました。おそらく、軒の隙間からの侵入だったはずです。

次に、玄関周辺、洗濯場とどんどん発見してしまったのですが、ついに営巣を発見するに至ります。風呂のドアの中でした。ドアはアルミ製ですがフラッシュ構造になっていて、横手部分の下端に穴が開いていました。奴らはこの穴の中に卵を産み、無事内部発生してしまったのです。

元をたたいたので、被害は比較的少なくすんだのですが、侵入経路は待ち伏せタイプの殺虫剤をまきまくりました。

原因は換気扇のモーターが死んでいたことだと考えています。

ダクトを通って侵入したにしても、ペラが回っていれば侵入できないはずでした。また、すこしこまかいフィルターをかけておけば防虫フィルターになったはずでした。

 

ネズミ同様ですが、まず侵入を防ぐことを考えて、鉄壁の防御を築きましょう。

そして、侵入経路と繁殖場所を探し、改善する。

Gの場合、部屋が散らかっていると防ぎようがありません。

なにしろ床が見えないとか、床と壁の角になにかいつも置いてあるとか、戸棚が壊れていて隙間だらけとか。

奴らは箪笥の中にでも卵を産みます。隙間という隙間を埋めるのは大変ですが、侵入を防ぎつつ、頑張るしかないでしょう。

 

最後になりますが、Gが大繁殖している地域というのがあります。

差別するつまりは無いのですが、外国人がよってたかって住んでいるアパートを見かけます。一部屋に何人も住んでいて、本当に洗濯したのかどうかわからないような洗濯物が所狭しとつるしてあって、ベランダにはごみなのか何なのかわからないものがあふれています。

はっきり不衛生だとわかる光景ですが、この周囲にGが大量に出没していることも事実です。

文化が違うとか、多様性とかいう話ではありませんね。

日本もバッチリ衛生管理局を立ち上げて、こういった状態をビシバシ取り締まって欲しいものです。現状では保健所がちょこまか動く程度だし、自衛で対処するしかなさそうです。

ねずみ博士とダニエル君

掃除、してますか?

猛暑が続きますが、人間はこの暑さにやられてつらい時期ですね。都会の大きなビルで、レストランや食品店が入居しているところにはねずみがたくさん居たりしますが、このねずみたちも気候の変動に敏感です。

暑い、寒いはみんな同じなんですね。

彼らを飼育していろんな環境においてみることでその生態を研究している会社さんが千葉県にあります。何度か見学させていただきましたが、ねずみ博士という異名を持つ先生が代表して研究されています。

この会社さんはここで得たデータを活かし、都会のねずみたちの行動を読んで駆除方法の技術を磨いています。

ねずみたちはどこにでも巣を作って繁殖しますが、壁の中や、長いこと動かない物の下などが多いようです。

都会のビルは快適です。我々が快適に保っているんだから当たり前なのですが、皮肉にもねずみにとっても快適環境なのです。

灼熱地獄のアスファルトから、エアコンで空調された快適空間へねずみたちは移動し、住み着いています。

彼らはどこかからやってきて、いつの間にか大繁殖します。

入り口となるのはちょっとした隙間だったり、玄関や駐車場、下水配管なども潜って浸入してしまいます。

到来することを完全にシャットアウトできれば、彼らに悩まされることはありませんが、人間が出入りすることが出来るということは、彼らも出入りできるということかもそれません。

夏のねずみですが、どんなに快適なビルの環境でも、深夜まで快適を維持しているビルは少なく、エアコンが切れたあとは彼らもぐったりしていることがあります。

視力の弱い彼らは、だれているときに僕たちに見つかっても気づかなかったりします。音を立てることでハッと我に返って逃げ出すなんてこともありますね。

夜間の清掃をするスタッフはそんな場面を目撃することもあると思います。

 

ねずみはダニを身にまとっていることが多く、ねずみの居るところにダニあり。です。

このダニは「イエダニ」という種類で、ねずみをチューチュー吸ったり、(俗称)コナダニを捕食したりします。コナダニはほこりの中に多数存在して、目に見えないレベルですが人や動物の皮膚から落ちた垢などを餌に増えます。布団に住み着くだにはその類です。

これを放置するとイエダニの格好の餌になって、どんどん環境が悪くなり

ます。

ですから埃は掃除しないといけません。

イエダニやツメダニというダニにやられると1wほどかゆくてたまらないわけですが、やられた直後は症状がありません。

外出先でやられて、家に帰ったらなんとなくかゆい・・・これがダニの被害の特徴です。ですから、家に居てかゆいからと言って、家にダニが居るということでもありませんので、向きになって殺虫剤をまかなくてもいいかもしれません。

僕の会社ではこのダニのことをデパチューとかダニエルとか呼んでいました。

ねずみがいそうな場所に行ったら、数時間後にかゆくなることがあります。時間をさかのぼって心当たりを探ってみるといいでしょう。

ダニ類は意外にも殺虫剤に弱い生き物です。いると思われる場所にまけば効果はあります。

疑いの濃い場所に言った場合、ダニを家に持ち帰りたくないですから、ズボンのすそをはたくなどしてみるといいですよね。

 

 

ではここで僕が学んだねずみの行動パターンをすこしご紹介します。何かの役に立つといいですね。ねずみがたくさん居るところはダニが居ますし。

 

まず、ねずみの巣です。

ずばり、厨房のあるフロアに居ます。また食品倉庫、お肉屋さんの床下などの実績が高いです。こんなこと書いたらお肉屋さんに怒られますが、実際、ビルに入っているお肉屋さんの店頭や厨房のねずみ繁殖率は高い。

彼らは食べるものがないフロアには繁殖しません。出没することはあっても、それは通過や観光に過ぎません。餌があるか無いか、生きていく環境としてふさわしいかを見に来ているのです。

ビルに入っている店舗は、その限られた環境で商売をしなければなりませんから、床にすのこを敷いたり冷蔵庫の上にものをおいたりしています。

整理整頓して、食肉向上のようにきっちりやりたいところですが、そんな風にしている店舗はありません。

ちいさくちぎれたお肉の破片がすのこの下に落ちます。空冷の冷蔵庫の熱交換器周辺にダンボールがあります。営巣してくれといわんばかりです。ねずみたちにとっては楽園となってしまいますね。

ラットサインという言葉を聞いたことがある人もいらっしゃると思いますが、店舗内にこのサインが出ているのをたくさん見てきました。

営巣されている場合、何度もそこを通りますから、ラットサインも次第に濃くなっていきます。一度雑巾で拭いて見て、まだサインがついてくるようでしたら奴の通り道ですから、捕獲の算段をしたほうがいいでしょう。むやみに通り道をふさいだりすると、どこかに移動されてしまうので、見つけたら確実に捕獲したほうがいいと思います。

このねずみですが、普段は物陰でじっとしてます。人が歩く音や、気配があると隠れているんです。

しかし我々管理チームの出番となる閉店後、彼らもいっせいに行動を開始します。

20時ごろ閉店するビルだと、社員が片付けなどで21時近くまで居ることが多いですが、この社員が帰るころに奴らはいっせいに出てきます。

防犯カメラの映像でも確認できますし、警備担当の職員はみんなよく見ていますよね。

ちょっと箇条書きにしてみますね。

・デパートやスーパーのねずみは、社員が帰ると出てくる。

・ラットサインの濃い場所から出てくる。

・ねずみの足の裏は汚れていて、粘着シートの上を歩いてわたってしまう。

・部屋の隅を歩くことが多い。

・環境に大きな変化があると用心して出てこなくなる。

・超音波にも慣れてしまえば通過される。

・げっ歯類は歯が伸びるため、いつも何かに噛み付いて研いでいなければならないため、何でもかじってしまう。

・目が悪い。

・意外にも大型のドブネズミはクマネズミに弱い。

・上層階まで侵入するのはだいたいクマネズミ。

ミッキーマウスはクマネズミがモデル。

・毒餌や超音波にやられない「スーパーラット」なるねずみが出現している。

・都会のねずみは既に荒川や江戸川を渡り、首都圏全域に生息している。

・ねずみの糞は「ねずみもち」の実によく似ている。

・直径1センチの穴から進入することもある。(よくある)

 

最初は外からやってきますが、一度侵入を許してしまうと鼠算といわれるように繁殖しますから、侵入を阻止することが重要となります。このことは各業者さんも力を入れているところだと思います。

しかし、入ってから被害が出ますので、いる相手を何とかするほうが先になります。

昔はねずみが出れば毒をまくのが常套手段だったこともありますが、現在は有毒な化学薬品を社会に撒き散らす行為は法律で取り締まっていて、簡単に殺鼠剤を配置するわけにも行きません。

どんな薬品をどのくらい、どこに配置するか。これは重要な問題ですね。

毒薬を配置するのであれば、しっかり管理された方法で無ければなりません。

 

住人側が出来ることは、衛生的にすること。ものをおかない。住処を提供しない。餌を提供しない。これだけです。

毒を配置したり、捕獲シートを使用するのはプロに任せて、衛生環境を維持しましょう。

今はそこらじゅうに散らばっているねずみたちも、寒い時期には限られた快適環境に終結します。捕獲や殺鼠は季節的に寒い時期を狙ったほうが効果が見込めます。

 

 

まとめますと

ねずみは外から入ってきますから、阻止したい。穴などはふさいでおきましょう。

繁殖してしまうので、餌となるものを片付けましょう。

ねずみは快適な環境(暖かい場所)を好みます。営巣場所を提供してしまわないように片付けましょう。

ねずみにはダニがついています。被害にあったらねずみを疑いましょう。

埃の量とダニの量は比例します。掃除しましょう。

ダニには殺虫剤、ズボンのすそをはたきましょう。

クマネズミはたてに移動します。PSなどの縦穴で移動することが知られていますので、穴を徹底的に塞いでおく事をお勧めします。

 

清掃班諸氏は目の前を歩くねずみにどうすることも出来ませんが、せっかく塗ったワックスの上を歩かれてはたまりませんよね。

食品残渣などの厨房清掃は一般ビル清掃の仕事になっていません。清掃員が厨房に出入りしたことによる食中毒発生などといわれる冤罪がありますので、専門チームの派遣が必要です。

歯がゆいところですが、プロにお任せするしかないというところです。

 

なんだかまとまりの無い話になってしまいましたが、ねずみの被害はなくなるばかりかどんどん増えています。みんなで力を合わせて管理しましょう。

顧客満足ってなんだ?

掃除、してますか?

夏場は何でも腐って異臭を放ちますが、生ごみの日は決まっています。

日曜日に魚釣りに行くお父さんがいる家庭(僕の家ですね)で、火曜日まで生ごみを保管しなければならないと困ります。

魚のあらは特に臭いがきつく、漂白剤で簡単にというわけにも行きません。

冷蔵庫の空くスペースを確保して、ビニールなどで密封して冷蔵、または冷凍して保管するといいですね。

僕のうちは冷蔵庫がいつもいっぱいなのでごみの減量化(魚が釣れない時の言い訳)をがんばっています。

 

さて、顧客満足ですが、聞き飽きたという人のほうが多いんじゃないでしょうか。

なんでも短縮してCSとかESとかいいたがりますよね。なんで難しくして知らない人を馬鹿にしようとするんでしょうかね。そのことのほうがよほど馬鹿だと思います。

文字通り顧客が満足することです。

このテーマは壮大なので、今回は大雑把に言いたい放題させていただきます。

 

会社や事業主となる個人などが、商売の相手とする対象のことを顧客というのだと思います。ここではそういうことにさせてもらいます。

そもそも顧客が誰なのかわかってますかね。この問題がまず一番です。

次になぜ顧客は満足するのかというストーリーが決まっていますか?という話。

最後に、意地になっていては顧客満足どころが足元を見られて嫌われてしまいますよという話です。

 

そもそも顧客ってなんでしょう?

 

スーパーマーケットの商況が低迷しています。僕のSNS上の知り合いはこういっています。「スーパーが儲かって成長してきた背景には3つの要素が欠かせなかったが、いまはその要素が無い。だからスーパーはこれから儲かる(成長する)商売ではない」と。

3つの要素ですが、人口の増・物価上昇・所得増の3つのようですね。ビジネスの世界ではよく語られるこの3つの要素は、いま日本に全然ありません。なぜそうなったかという話はまた今度にしますが、なにしろ3要素はことごとく粉砕しています。

さて、スーパーのビジネスモデルはどんなものだったでしょうか?

生活必需品が揃っていて、専門店より安い。一箇所で何でも帰るから便利。

顧客にとっての便利さは業界の成長を押し上げました。その結果、街から専門店が消え去り、魚屋さんもお肉屋さんも電気屋さんもみんな無くなっていきました。

一方、物流も集約されてコストを下げ、儲けの仕組みは向上されていきました。

コンビニエンスストアの7~11さんも、この物流改革で成長したトップリーダーでしょう。

スーパーにくるお客さんの満足に目を向けてみましょう。

僕が小さいころからよく耳にしたのは「1円でも安く買うために隣町のスーパーまで買いに行ってきたからすごいでしょ」

この話にはすべてが詰まっています。1円でも安いこと。これは客観的事実です。そしてこの顧客が伝えたいのは「わざわざその1円のために私は隣町まで行って来たの」という話です。

すこしでも安いことが一番のよさです。はっきりいいます。1円でも安いからうれしいのです。そしてそれを買って自慢げに話したいのです。

今朝、テレビで紹介されていた激安スーパーはひとつ1円の大安売りで顧客を獲得していました。ここまできたかと呆れてみていましたが、顧客満足というのはそういうことなんだなとつくずく思いました。

「1円でも安い」が「1円ですやすいでしょ」に変身していたんですから、ちょっと笑ってしまいました。

顧客の満足が「安さ」にある以上、価格の勝負が一番でしょう。スーパーの顧客はこの価格について一番期待していることに敗因があります。

実は商売の鉄則は良品であること(信用)や、勢いがあることなどもあげられます。

安かろう、悪かろうでは顧客は満足しないのです。

事業主は少しでもコストを削減してなんとか頑張りますが、頑張りどころを間違えてしまいます。

低コストの限界はすぐに来ます。無い袖は振れないのに振れというから国内の労働者はみんなタダ働きを強いられて苦戦するのです。

俺の時代はこんな軟じゃなかった。もっと頑張れるはずだ。給料もらうんだからもっと頑張れ・・・・そんな風に意地になっている経営者が実に多い。確かに、よく働いてくれないと会社として成り立ちません。しかし頑張りどころを間違えていては誰もついてこないばかりか顧客にまで馬鹿にされてしまいます。

 

労働産業の場合どうでしょう?

物の値段ではなく、労働そのものをコストダウンされています。

時短、残業代込み、単価、減給、経営側はいくらでもやってきますよね。当たり前です。儲けることが仕事ですから。

干上がったコストに追い討ちをかけて何とかしようとしてますが、それを実行している管理者の多くは自分の生活に直接影響しないのです。

派遣労働の仕組みも、残業時間制限の仕組みも、週40時間制も、みんなギリギリのところまでやらせるための制度になってしまいました。

昔、9時に出勤して17時に退勤するマスオさんのようなサラリーマンが多かったのですが、たしかに日曜日意外は休んでませんでした。

それましたが、労働産業のを取り巻く環境は非常に悪く、このまま世界の奴隷に成り下がる勢いです。

 

顧客の満足をもう少し分析してみましょう。

本当に1円安かったら満足してるのか。それを自慢して幸せなのか。

ちがいますよね?

品物もよくないと。でもそれだといい品を安く買い叩くだけで、この負のスパイラルからは逃れることが出来ません。

さて、みなさん何をお求めでしょうか?

百貨店で高級な商品を高額にてチョイスしてフェイスブックにアップしますか?

格安スーパーで上手に買って自慢しますか?

 

いまも昔も変わらず売れていて、価格が上昇しても顧客が満足しているものがあります。

オートバイです。

売れ行きの数量は低減していますが、価格は上昇。ホンダのモンキーはこの30年で3倍になりました。オートバイを作る技術は飛躍的に向上して、出力規制がかかるほどの性能にもなっています。たくさん作ることも出来るでしょうが、それをやるほど数が売れない。だから価格は上がっているのです。

でもライダーたちは高額なオートバイを買います。しかも、イタリアのスポーツカーや大排気量の高級車を。

この不景気に、なんて贅沢なんでしょう。

ここにも少し答が隠されています。もちろんそれがすべてというわけではありませんが、分析しましょう。

 

そもそも顧客となる対象は誰でしょう?

なぜその人は大金を出すほどオートバイを欲しがるのでしょう。

顧客がお金持ちだから?それも違います。

 

ライダーはオートバイが好きです。

そして仲間も居ます。

スーパーの商売のようにマスマーケティングで考察すると、

対象は20代から40代、収入が600万平均で、独身。都内に数千人住んでおり、特に西側の区部から都下にかけてが多い。

商売をしようとすると、まずこのマーケティングの罠にはまります。

広告を西側に数千部、ボーナス時期に一斉配布、低金利のキャンペーン、下取り価格サービス、オイル交換年間パス無料・・・・

ほんとうにこれで商売できると思いますか?

破綻しかけているスーパーの戦略とはこういうことなんですよね。

 

では本当に買う人ってどういう人でしょう?

これを見ている方はPCかスマホで読んでますよね。情報は自分で取りに行って、さらに天秤にかけ、一円でも安く、いい商品を探しています。このことはスーパーの卵と一緒です。

でも、待ってください。欲しいものが決まっていませんか?

かっこいいデザイン、排気量、カテゴリー、利用方法、生活の中にどう取り入れようとしているか。

欲しい人は、黙っていてもそれを手に入れるんです。

はるばる隣の県に行っても、外国車の輸入でも、部品が希少で修理が難しくてもです。

考えてみれば、人間一人しか運べず、燃料も使うし、余計な部品もよく故障するし、置き場所も必要です。こんなもの本当に好きな人じゃなきゃ買わない・・・・

はい。そこです。本当に好きな人が顧客なんです。

こういう人が買う商品は特殊な場合が多い。

オートバイなんかかなり特殊ですよね。スーパーの卵とは大違いです。

買い手が本当に望むものというのは、物の基本性能だけではないんですね。どれだけ好きか。そんな要素が必要なんです。

ではスーパーをどれほど好きになれるか。これは僕にも読めませんが、好きなスーパーはあるし、わざわざそこに行くことも多いです。

お肉や生鮮食品の品質が高く、しかも安いんです。おそらくその会社は力を入れています。ついでにいろいろ買ってしまいますが、まんまと戦略に乗せられています。

僕は環境品質管理が専門ですから、店内の衛生状態や冷蔵庫の状態も気になります。

残念ながらそこが完璧なスーパーや百貨店は日本には存在しないのではないかと思っていますが。

 

さて、労働産業の顧客です。

清掃を生業とするスタッフの顧客っていったい誰なんでしょうね?

主任さんかな?部長?ビルの住人かな?発注担当者かな?その人が満足すればいいのかな?

マスマーケティングで行きますか?

オートバイで行きましょう。

お客さんはある環境や、ある方法、あるデザインや性能、仕事のプロセスが好きです。

オートバイのマフラーが機能的にかっこいいことが有名ですが、清掃道具の中にもかっこいいものも存在します。

すし職人やラーメン店の人が、流れるように作業するのを見ていると、本当にかっこいいですよね。方法やプロセスは重要です。綺麗であることは人に良い印象を与えます。

ディズニーの話をするとまたかよといわれますが、パークが好きな方にカストーディアルキャストが嫌いという方も少ないでしょう。それどころか、魔法の国の住人として、輝く目で見られています。

労働産業の極致ですよね。最高です。

 

事務所ビルで清掃しているスタッフがそこまで人に好かれることは少ないかもしれないですし、難しいのも現実です。

 

ビルメン経営の会社さんから、スタッフはいろんな教育を受けますが、果たしてスタッフの教育が全てだと思っている会社さんも多いのではないでしょうか。

 

ホンダが作るオートバイに乗りたい。ハスクバーナが欲しい。カワサキは硬派だ。

ヤマハのデザインが好きだ。

V型大排気量のアメリカンは最高だ。

オートバイに乗る人は本当にいろいろ知っている。

 

労働産業を取り巻く環境、このままだとただの斜陽産業になってしまいますね。

 

売れている商売の顧客は、作り手が選んでいます。

マスマーケティングによる「買ってくれそうなデータ」はもう要らないんです。

ホンダに乗りたい人はカワサキを買わないし、オフロード愛好家はハーレーに乗らない。

欲しい人を見つける商売は負けます。

誰か好きな人が欲しがるものを作れる人が勝ちます。

 

俺の生き方はこうだ。だれか賛同者は居ないか?

 

こういうリーダーこそ、今必要なんじゃないでしょうか。

ついてきた人はきっと満足していると思いますよ。

オーバースペック(2)

掃除、してますか?

 

前回は過剰な仕様の存在について書きました。

仕様書基準に書かれている内容は 場所(対象)と 頻度(回数)が主な内容です。

別添仕様書というものがある場合は、やり方などの詳細が記入されています。

 

仕様基準の回数が必要以上だった場合やりすぎなわけですが、どれくらいが適正なのかもわからないと思います。

 

新宿駅のトイレを一日何回掃除するのが適正でしょうか。

 

いつも臭くて汚いイメージの公衆トイレですが、仕様では1時間空けずに清掃したりしています。

それでも使用者の攻撃に負け、異臭を放ち、状態はよくなりません。

これは清掃頻度や方法の問題でありません。使用者と使用頻度の問題といえるでしょう。

 

ビルのトイレの数というのは、従業員の人数に応じて望ましい数が設定されています。

しかし、公衆の駅や百貨店における使用頻度はその想定をはるかに上回ってしまいます。

トイレの数を今の10倍にすればあるいは頻度と管理のバランスが保てるかもしれません。

 

さて、オーバースペックです。

頻度もやり方も「やりすぎ」であること。

気づかないうちに、このやりすぎに巻き込まれてしまうことも多いんです。 

 

たとえばホテルの場合、トイレなどの順回数は非常に重要です。必ずしも清掃が必要ではありませんが、清掃員やスタッフが点検をする必要があるからです。

清掃の仕様基準書にこの「点検」が含まれることが多いと思いますが、これは汚れに対する業務上の点検ですから、ホテルの安全点検であれば安全管理担当や、ホールスタッフなどが行うべき業務となります。

 

むずかしいですよね。点検。

点検していると、異常に気づいてしまいますから、当然報告します。次第にこれが本業となってしまうのです。

厳密に言うと、警備業の仕事になるので、ただの清掃員はやってはならないことだったりします。

顧客誘導とか、雑踏警備とか、駐車場誘導なんか清掃員は手を出してはいけません。

きちんとして教育を受けて資格を得た人が委託を受けて行う業務ですから、頼まれたからって簡単に引き受けてはだめですね。業法違反になっちゃいます。

 

この点検業務、20回も入っている仕様書だとすると、おおむね30分に一度は点検してることになりそうです。どこかのリゾートでトイレの前に立っている係員みたいですよね。

 

日本の場合はそんなスタッフは居ませんが、これを仕様に入れて監視目的で契約する事業主も居ることでしょう。

どうでしょう?仕様はオーバースペックになっています。清掃としては必要じゃないんでしょね。

 

本来の要求事項ではない業務に就かされてしまうこと、多いですよね?

清掃員は小間使いじゃないんだぞ!!というような言葉をよく耳にします。

反対に、業務外のことを行って感謝されるシーンも目にします。

 

しかし、計画的に目的外の役割を背負わせるのはいかがなものでしょうか。

 

爆弾を仕掛けられたという情報があったら、清掃員は普通避難させられます。

しかし都合よく不審物を見回ってくれと点検を依頼されてしまうのです。

 

たかが掃除ですけど、意外とめんどくさいことにかかわっているのかもしれませんね。

仕様がおかしいと思ったら、よく確認したほうがよさそうです。

廃棄物処理できてますか?

掃除、してますか?

掃除するとごみがでますよね。これは廃棄物です。

廃棄物には廃棄物を扱う法律が別に儲けられています。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法:以下廃掃法)といいます。

ビルの掃除はこの廃掃法にあまり触れませんが、もっと触れるべき法律だと思います。

 

ビル清掃では床を掃除した

り、窓を拭いたりします。この行為はビル管法の縛りで発生していますから、廃掃法のことを知らなくても成り立っていることが多いのですね。

 

ビル清掃の人はごみを出す側で、受けて処理したり処分したりしません。ここが一番違うところでしょうか。

 

この廃掃法、目的はビル管法と似ています。

ごみを減らし、正しく処理することにより生活環境の保全および公衆衛生の向上を目的としています。

法律の目的を達するために各自治体は条例を設定して管理しています。条例違反には営業停止や資格剥奪などの重い罰則があります。

 

カレー屋さんの冷凍具材を廃棄したところ、廃棄物を扱う業者がこれを転売するなどしてこの法律に抵触した事件がありましたね。

これは千葉県での出来事でした。

そもそも廃棄物なのに、食品として販売したら「ごみを食わされる」ことになりますよね。こういうことが起きないようにするための法律といえましょう。

 

僕の身の回りでおきた事件をひとつ紹介します。

ある廃棄物収集運搬、中間処理業の会社さんの話です。

業者さんはプラスティックなどの中間処理を行っていました。廃棄物を収集して、熱をかける等して固形燃料を生成、燃焼炉を持つ処分業者(燃料として買い取る)に処分する方法を行っていました。

よい燃料が出来ることや、廃棄されてくる材料がリサイクルされることが望ましいので、この業者さんも日々研究を行っていました。

ある廃棄物が、プラスティックのラインに混ぜればいい材料となり、リサイクル率の向上や法律の骨子である環境の保全にもつながると見て、固形燃料化のテストを行っていました。

その廃棄物はゴム系のもので、収集後破砕して減量を行うものの、そのまま埋設法と呼ばれる方法で地中に埋められていました。

業者さんは、この廃棄物が燃やせてサーマル式リサイクルできるのではないかと考えたのです。

ある日、このゴムのテストピースを有償にてドラム缶で譲ってもらい、廃棄物とは分けて保管、テストを待っていました。

そこに、県の抜き打ち査察がやってきます。査察は珍しいことではなく、件の事件からポピュラーで厳しい監視が行われています。

当日、責任者が都合で外出、管理用のPCが不調を起こしており、査察を受けるには現場の担当者しか居らず、役不足の状態だった。

このことは、後に「管理者不在」の罪になってしまいました。

査察官の指摘はこうでした。

1、廃棄物保管が正しく行われていない

2、収集した廃棄物の量が正しく計上されていない。

3、文書記録が見れないなどの査察妨害があった。

4、虚偽報告があった。

こうしてこの業者さんは業務停止命令1ヶ月の処分を受けました。

 

保管が正しくないというのは、廃棄物として受けているものと同じ荷姿のものが駐車場においてあったということ。これはテストピースとして買い取ったもので、領収書まで用意されていましたが、査察官の指導では廃棄物の一部として扱われました。

理由は「同じ荷姿であり、伝票上の量の記載が間違っている」

同じ車で運んできてしまったため、量を測るときには車ごと測ってしまったというのです。これでは廃棄物として扱っているのと同じになってしまいます。

しかし伝票にはしっかり分けて記載し、廃棄量とサンプルを分別しておいたのです。

このことも「偽りの報告」と位置づけされてしまいました。

PCが壊れていたため、速やかな査察対応ができず虚偽報告、管理法違反となれば処分は当たり前です。

 

業者さんが故意に違反行為を行ったわけではありませんし、むしろ法の骨子に基づいた技術向上を計画しただけです。

 

それでも査察官は違反と受け取れる以上、違反であると位置づけました。

 

なんと理不尽な事件でしょうか。

 

廃棄物を扱う業者さんの中には、件のような悪徳業者が存在することも事実で、これを取り締まるためには手厳しいやり方も必要なようです。

 

ごみと言ってもひとくくりにはできませんね。

 

何気なく暮らしてる身の回りのものたちが、どこでどんな処理されてるのかなんて、なかなか知る由もありません。

 

 

さて、ビルメン諸氏はいかがでしょうか。

ちょっとくらい不燃ごみが混入していても、リサイクル向けのプラスティックが混入していても、一般廃棄物の中に入れてませんでしょうか。

 

家庭ごみと事業系廃棄物では扱い方が違っています。

東京都の家庭ごみは税金が投入されて、燃焼炉で償却され、東京湾の処分場(中央防波堤)に埋められます。行き先は同じでも、家庭ごみと違って事業者はこの処理費用や処分費用を支払わなければなりません。

儲けを出すために出される廃棄物は事業主の責任が重く、違反すれば出した事業者の罪になり、悪質な場合、社長が逮捕されるなどの事件になります。

 

東京都の場合、リサイクルに向かないプラスティック製品を回収してもリサイクルできないため、リサイクルできるプラスティックだけを回収しようとしています。現在その実験段階だと聞いています。

回収してもサーマル化計画に基づいて焼却処分されているのが現状です。

よほど綺麗な状態で成分も揃っていないと、生まれ変わるためのリサイクルには向かないのですね。

日本のリサイクル技術は優秀ですが、よい材料となるごみを正しく回収できないと機能しないんです。前記の事件では、ほぼ正しく扱われていた廃棄物もリサイクル用に引き渡して完全別扱いしなければなりませんでした。むしろ、リサイクル目的で扱ってはいけませんでした。

 

分ければ資源といいますが、これはごみを出す人がやらなければ達成できない目標なんです。地域自治体は非常に簡単な分別をお願いしているに過ぎません。

 

 

「ごみは入り口」僕が作った標語です

 

ゴミ箱に入れるその瞬間、そのごみの運命は決まってしまいます。

 

東京都は誰でも申し込めばこの廃棄物処理場の見学が出来ます。

夏休み、研究課題として一度足を運んでみてはいかがでしょう。

 

「中央防波堤見学:検索」でどうぞ。

 

 

現場と経営

掃除、してますか?

 

現場を軽視されたり、仕事を蔑視されたりしませんか?

たかが掃除。ビルメンの現場では設備や警備などを受注して、仲間がいることが多いと思います。

清掃にしても設備管理にしても、それほど重要視されているようには感じません。なぜなんでしょう?

 

答えは簡単で、「当たり前だから」です。

 

普通、夏には涼しくて冬は暖かく、中にいる人は快適なのがビルというものだからですよね。

ビルは快適なのが当たり前です。誰もその管理者労働者の苦労や技術に裏打ちされた誇り高き業務のことなど知りもしません。

そこにどんなドラマや苦労や感動があろうとも、住人や経営者には関係ありません。

 

いつもネズミやゴキブリと戦って、下水道の配管を修理して、溢れたトイレの始末をする人たちの事を「汚い仕事をする人たち」とみて、蔑んでいるのです。

 

こういうと元も子もありませんが、実際にわざわざ東大を卒業してトイレの清掃を生業とする人は少ないでしょう。

 

 

ビルメンの経営者にとって、今日の日本の清掃業務は下げ止まりで、これ以上無い「儲からない仕事」に成り下がっています。

ビルメンはスーパーマーケットと同様に高度成長期の人口増、所得増、価格高騰にくっついて伸びてきた商売です。

現代の不景気と少子化がその成長を阻んで久しいというところです。

ですから今後、よほどのことがない限りこの業界が急成長することはないと思われます。

このことも業界人が下に見られる一つの要因かもしれませんね。

 

有名な業界誌にも連載があるようですが、現場でのおもてなしや心構えを教えてくれるありがたい情報が溢れています。

これを実践すれば我々の地位が向上するかのごとく、ビルメン業界は必死です。

じゃないとやり手が減って、せっかく安く受注した物件も捌けません。

 

ビルメン経営や業界では必死で我々の地位向上を求めて手を打っているように見えます。お辞儀は深く、笑顔で会釈、制服はきちんと着用、気を使いましょう・・・

 

ディズニーランドのカストーディアルが引き合いに出されることが多いと思います。

彼らは我々ビルメンの最先端であり、見本であるといっても過言ではないでしょう。

研修という名のディズニー詣もよく聞きます。

 

パークのことは詳しくありませんが、カストーディアルは清掃担当で、ビルや集客施設を掃除するビルメンのスタッフと何も変わりません。

なのに最高のクオリティだ、彼らを見習え、あんなふうにできたらいいのに、ああいうふうにできないものか・・・・となってきますね。

 

いろんな書物に記されているので、僕がここで書いても問題ないと思いますが

ディズニーランドは清掃担当も自社が直接雇用する仲間で、外部委託されていないんですね。

 

夜行われる定期清掃や、植栽を管理する一部のキャストを除き、ディズニーの仲間は同じ所属なんです。

アトラクション完成時の試乗会などにはこの仲間たちやその家族が招待されるのは有名な話ですね。

ディズニーでは、働く仲間をファミーリーに見立てて大切に扱っているんです。

 

パーク内にいるキャストはみな仲間だということが他と違うところです。

 

多くの施設は外部委託契約でビルメン業務を委託しています。

 

実はこのことは重要です。

仲間じゃないんだから、適当な扱いでもいい。

こんな簡単なことが我々の地位を貶めているんでしょうか・・・

 

昨今、人材派遣のスタッフが酷い扱いを受けて問題になったりしていますね。

なぜでしょう?仲間じゃないからなんです。

 

組織は目的や目標があって、そこに向かって協力して行くものです。

 

業務を切り取って他社に委託している場合、その先にいる人達の目的は所属会社のものになりますから、時間が来れば帰りますし、お客様の対応とか「不要な」スキルの持ち合わせは無いのです。あっても仕事で発揮する必要はない。

 

ここに大きな矛盾を感じませんか?

 

業界は我々のマナーやおもてなし、見た目やお辞儀やその他諸々をディズニーのようにやらせればいいと。

 

しかしどんなにスーパーな清掃員が現れても、現場からの「不要な」要求に答えられなければ、ただの清掃員なんです。

 

清掃会社を経営している会社の目標や企業理念、行動倫理こそがスタッフとなる従業員の目的であり目標、そしてやり方なんです。

 

ディズニーのようにやれという会社に入ってしまった皆さんは、一度考え直してみてはいかがですか?

 

経営者の方は現場に合わせることだけが仕事ではなく、お客さんのニーズというものを自らの手で創り上げ、提案し続けることで仲間たちと魅力ある企業風土をもって充足される達成感を味わってみてはいかがでしょうか。

 

ハンバーガーショップでも、街のラーメン店でもやってます。

「美味しいハンバーガー、あります」と。