トイレのにおい
掃除、してますか?
王道のはなしはしないつもりだったんですが、たまたまある方にお話したついでに残しておこうと思います。
トイレのにおい、科学的に説明されると納得しちゃいますよね。
尿石の発生、バクテリアの繁殖とそのにおい、バクテリアと尿石は酸に弱い。
なるほどそれでサンポールは酸が効くのか。
そんなことです。
フラッシュ水が酸性に偏っていれば尿石の発生は抑えられる理屈なので、酸性に大賛成(ナンチテ)ですが、金属配管はどんどん痛んでしまいますね。
トラップに巣食った尿石を完全除去して、器も綺麗にすれば、理論的には臭わないはずですけど、臭ったりしますよね。
たいした事ないけど完全にといわれると、その原因の特定が難しいでしょう。
僕の現場である実験をしました。
実際に人間の嗅覚だけで評価して、いつ臭うか、何をすると効果があるのかを検証したんです。このQCは会社の大会で部門賞を獲得し、当時の社長に熱い感謝のお言葉と握手をいただきました。懐かしい思い出です(ちょっと自慢しておきますね)
期間を長く取り、計画します。
いつもひどい現場を対象とします。
最初の評価を5人で行いました。原因の特定をしたいので、いつのとおり清掃してもらいます。評価は上がりませんでした。
床洗浄を行ってもたいした効果が得られません。
ブレストで手法を出し合います。次々とテストを行っていき、最後には答えにたどり着きます。
意外だったのは、壁ににおいが染み付いているついているという事。
洗浄班の技術が低かったこと。
ケミカルはバイオが有効だった。
完全に取り去るときは酸を使う。
言い出すときりが無いほど答えは多かったです。
そして最後に「清掃するタイミング」がありました。
最後のお客さんが使用した後、清掃しないで翌日の朝を迎えるスケジュールになっていました。なるほど、掃除はできても発生のほうが強かったのか・・・・というオチです。
尿石は酸に弱い。バクテリアの繁殖を防ぐ。この事に着目してケミカルを選び、作戦を立て、対象の管理方法を確立しました。
しかしこれを続けて管理できる体制(スタッフの勉強とかね)が一番重要で難しいですけども。
しかし世の中にはこんなトイレも存在しますよね。
わが現場でもデモンストレーションで設置しましたが、「無水トイレ」という恐ろしいトイレが存在します。流さないんです。なんにも。
羽田空港の駐車場で見かけましたので、まだあるかもしれません。
このトイレのメカニズムを聞くと、尿石発生の原因は水道のミネラル分であるということです。なるほど。
水道水を使うと尿石が発生してバクテリアの繁殖を助けてしまうので、水は使わないでくださいというものでした。
実際は入れかわり立ち代り使われるトイレの場合、無水トイレは失敗でした。
水面は特殊な油の下にあり尿の気化も防いでいるのですが、便器そのものについた汚れを管理しきれないので、結局水洗トイレに切り替えました。
なんならミネラルを除去する機械(軟水機)がビルにはあるので、それを導入するとか、雨水を利用するとかすればこのミネラル問題は解消するのかな?とも思います。
配管スケールの問題も一気に解決できるので、どこか軟水装置経由でトイレのフラッシュを流しているビルがあったらぜひご紹介いただき、見学させていただきたいと思います。
科学的に説明されると信じてしまいますよね?
でも必ず正解という事でもなさそうです。実験君は明日の現場を創造します。
主任さんは自分のやり方にこだわらず、スタッフ全員の頭脳から情報を引き出して、実際の現場で実験して見ましょう。きっと答えは見つかるはずです。
大体の場合、人がしっかり掃除していないと駄目なようですけど。