掃除、してますか?

建物管理者向け、悩ましい管理方法のヒントここにあります。

顧客満足ってなんだ?

掃除、してますか?

夏場は何でも腐って異臭を放ちますが、生ごみの日は決まっています。

日曜日に魚釣りに行くお父さんがいる家庭(僕の家ですね)で、火曜日まで生ごみを保管しなければならないと困ります。

魚のあらは特に臭いがきつく、漂白剤で簡単にというわけにも行きません。

冷蔵庫の空くスペースを確保して、ビニールなどで密封して冷蔵、または冷凍して保管するといいですね。

僕のうちは冷蔵庫がいつもいっぱいなのでごみの減量化(魚が釣れない時の言い訳)をがんばっています。

 

さて、顧客満足ですが、聞き飽きたという人のほうが多いんじゃないでしょうか。

なんでも短縮してCSとかESとかいいたがりますよね。なんで難しくして知らない人を馬鹿にしようとするんでしょうかね。そのことのほうがよほど馬鹿だと思います。

文字通り顧客が満足することです。

このテーマは壮大なので、今回は大雑把に言いたい放題させていただきます。

 

会社や事業主となる個人などが、商売の相手とする対象のことを顧客というのだと思います。ここではそういうことにさせてもらいます。

そもそも顧客が誰なのかわかってますかね。この問題がまず一番です。

次になぜ顧客は満足するのかというストーリーが決まっていますか?という話。

最後に、意地になっていては顧客満足どころが足元を見られて嫌われてしまいますよという話です。

 

そもそも顧客ってなんでしょう?

 

スーパーマーケットの商況が低迷しています。僕のSNS上の知り合いはこういっています。「スーパーが儲かって成長してきた背景には3つの要素が欠かせなかったが、いまはその要素が無い。だからスーパーはこれから儲かる(成長する)商売ではない」と。

3つの要素ですが、人口の増・物価上昇・所得増の3つのようですね。ビジネスの世界ではよく語られるこの3つの要素は、いま日本に全然ありません。なぜそうなったかという話はまた今度にしますが、なにしろ3要素はことごとく粉砕しています。

さて、スーパーのビジネスモデルはどんなものだったでしょうか?

生活必需品が揃っていて、専門店より安い。一箇所で何でも帰るから便利。

顧客にとっての便利さは業界の成長を押し上げました。その結果、街から専門店が消え去り、魚屋さんもお肉屋さんも電気屋さんもみんな無くなっていきました。

一方、物流も集約されてコストを下げ、儲けの仕組みは向上されていきました。

コンビニエンスストアの7~11さんも、この物流改革で成長したトップリーダーでしょう。

スーパーにくるお客さんの満足に目を向けてみましょう。

僕が小さいころからよく耳にしたのは「1円でも安く買うために隣町のスーパーまで買いに行ってきたからすごいでしょ」

この話にはすべてが詰まっています。1円でも安いこと。これは客観的事実です。そしてこの顧客が伝えたいのは「わざわざその1円のために私は隣町まで行って来たの」という話です。

すこしでも安いことが一番のよさです。はっきりいいます。1円でも安いからうれしいのです。そしてそれを買って自慢げに話したいのです。

今朝、テレビで紹介されていた激安スーパーはひとつ1円の大安売りで顧客を獲得していました。ここまできたかと呆れてみていましたが、顧客満足というのはそういうことなんだなとつくずく思いました。

「1円でも安い」が「1円ですやすいでしょ」に変身していたんですから、ちょっと笑ってしまいました。

顧客の満足が「安さ」にある以上、価格の勝負が一番でしょう。スーパーの顧客はこの価格について一番期待していることに敗因があります。

実は商売の鉄則は良品であること(信用)や、勢いがあることなどもあげられます。

安かろう、悪かろうでは顧客は満足しないのです。

事業主は少しでもコストを削減してなんとか頑張りますが、頑張りどころを間違えてしまいます。

低コストの限界はすぐに来ます。無い袖は振れないのに振れというから国内の労働者はみんなタダ働きを強いられて苦戦するのです。

俺の時代はこんな軟じゃなかった。もっと頑張れるはずだ。給料もらうんだからもっと頑張れ・・・・そんな風に意地になっている経営者が実に多い。確かに、よく働いてくれないと会社として成り立ちません。しかし頑張りどころを間違えていては誰もついてこないばかりか顧客にまで馬鹿にされてしまいます。

 

労働産業の場合どうでしょう?

物の値段ではなく、労働そのものをコストダウンされています。

時短、残業代込み、単価、減給、経営側はいくらでもやってきますよね。当たり前です。儲けることが仕事ですから。

干上がったコストに追い討ちをかけて何とかしようとしてますが、それを実行している管理者の多くは自分の生活に直接影響しないのです。

派遣労働の仕組みも、残業時間制限の仕組みも、週40時間制も、みんなギリギリのところまでやらせるための制度になってしまいました。

昔、9時に出勤して17時に退勤するマスオさんのようなサラリーマンが多かったのですが、たしかに日曜日意外は休んでませんでした。

それましたが、労働産業のを取り巻く環境は非常に悪く、このまま世界の奴隷に成り下がる勢いです。

 

顧客の満足をもう少し分析してみましょう。

本当に1円安かったら満足してるのか。それを自慢して幸せなのか。

ちがいますよね?

品物もよくないと。でもそれだといい品を安く買い叩くだけで、この負のスパイラルからは逃れることが出来ません。

さて、みなさん何をお求めでしょうか?

百貨店で高級な商品を高額にてチョイスしてフェイスブックにアップしますか?

格安スーパーで上手に買って自慢しますか?

 

いまも昔も変わらず売れていて、価格が上昇しても顧客が満足しているものがあります。

オートバイです。

売れ行きの数量は低減していますが、価格は上昇。ホンダのモンキーはこの30年で3倍になりました。オートバイを作る技術は飛躍的に向上して、出力規制がかかるほどの性能にもなっています。たくさん作ることも出来るでしょうが、それをやるほど数が売れない。だから価格は上がっているのです。

でもライダーたちは高額なオートバイを買います。しかも、イタリアのスポーツカーや大排気量の高級車を。

この不景気に、なんて贅沢なんでしょう。

ここにも少し答が隠されています。もちろんそれがすべてというわけではありませんが、分析しましょう。

 

そもそも顧客となる対象は誰でしょう?

なぜその人は大金を出すほどオートバイを欲しがるのでしょう。

顧客がお金持ちだから?それも違います。

 

ライダーはオートバイが好きです。

そして仲間も居ます。

スーパーの商売のようにマスマーケティングで考察すると、

対象は20代から40代、収入が600万平均で、独身。都内に数千人住んでおり、特に西側の区部から都下にかけてが多い。

商売をしようとすると、まずこのマーケティングの罠にはまります。

広告を西側に数千部、ボーナス時期に一斉配布、低金利のキャンペーン、下取り価格サービス、オイル交換年間パス無料・・・・

ほんとうにこれで商売できると思いますか?

破綻しかけているスーパーの戦略とはこういうことなんですよね。

 

では本当に買う人ってどういう人でしょう?

これを見ている方はPCかスマホで読んでますよね。情報は自分で取りに行って、さらに天秤にかけ、一円でも安く、いい商品を探しています。このことはスーパーの卵と一緒です。

でも、待ってください。欲しいものが決まっていませんか?

かっこいいデザイン、排気量、カテゴリー、利用方法、生活の中にどう取り入れようとしているか。

欲しい人は、黙っていてもそれを手に入れるんです。

はるばる隣の県に行っても、外国車の輸入でも、部品が希少で修理が難しくてもです。

考えてみれば、人間一人しか運べず、燃料も使うし、余計な部品もよく故障するし、置き場所も必要です。こんなもの本当に好きな人じゃなきゃ買わない・・・・

はい。そこです。本当に好きな人が顧客なんです。

こういう人が買う商品は特殊な場合が多い。

オートバイなんかかなり特殊ですよね。スーパーの卵とは大違いです。

買い手が本当に望むものというのは、物の基本性能だけではないんですね。どれだけ好きか。そんな要素が必要なんです。

ではスーパーをどれほど好きになれるか。これは僕にも読めませんが、好きなスーパーはあるし、わざわざそこに行くことも多いです。

お肉や生鮮食品の品質が高く、しかも安いんです。おそらくその会社は力を入れています。ついでにいろいろ買ってしまいますが、まんまと戦略に乗せられています。

僕は環境品質管理が専門ですから、店内の衛生状態や冷蔵庫の状態も気になります。

残念ながらそこが完璧なスーパーや百貨店は日本には存在しないのではないかと思っていますが。

 

さて、労働産業の顧客です。

清掃を生業とするスタッフの顧客っていったい誰なんでしょうね?

主任さんかな?部長?ビルの住人かな?発注担当者かな?その人が満足すればいいのかな?

マスマーケティングで行きますか?

オートバイで行きましょう。

お客さんはある環境や、ある方法、あるデザインや性能、仕事のプロセスが好きです。

オートバイのマフラーが機能的にかっこいいことが有名ですが、清掃道具の中にもかっこいいものも存在します。

すし職人やラーメン店の人が、流れるように作業するのを見ていると、本当にかっこいいですよね。方法やプロセスは重要です。綺麗であることは人に良い印象を与えます。

ディズニーの話をするとまたかよといわれますが、パークが好きな方にカストーディアルキャストが嫌いという方も少ないでしょう。それどころか、魔法の国の住人として、輝く目で見られています。

労働産業の極致ですよね。最高です。

 

事務所ビルで清掃しているスタッフがそこまで人に好かれることは少ないかもしれないですし、難しいのも現実です。

 

ビルメン経営の会社さんから、スタッフはいろんな教育を受けますが、果たしてスタッフの教育が全てだと思っている会社さんも多いのではないでしょうか。

 

ホンダが作るオートバイに乗りたい。ハスクバーナが欲しい。カワサキは硬派だ。

ヤマハのデザインが好きだ。

V型大排気量のアメリカンは最高だ。

オートバイに乗る人は本当にいろいろ知っている。

 

労働産業を取り巻く環境、このままだとただの斜陽産業になってしまいますね。

 

売れている商売の顧客は、作り手が選んでいます。

マスマーケティングによる「買ってくれそうなデータ」はもう要らないんです。

ホンダに乗りたい人はカワサキを買わないし、オフロード愛好家はハーレーに乗らない。

欲しい人を見つける商売は負けます。

誰か好きな人が欲しがるものを作れる人が勝ちます。

 

俺の生き方はこうだ。だれか賛同者は居ないか?

 

こういうリーダーこそ、今必要なんじゃないでしょうか。

ついてきた人はきっと満足していると思いますよ。